イトカワやリュウグウ、いったい小惑星の名前ってどうやって決めている?

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2014年に打ち上げられた探査機『はやぶさ2』は、
2018年に小惑星『リュウグウ』に到達し、1年半ほど探査をしました。

そして2019年11月にリュウグウを出発し、
リュウグウで採取した試料を持って帰り2020年12月6日に地球に帰還する予定です。

地球に試料が入ったカプセルを分離してからは、
なんと別の小惑星探査に再び出発することになっています。

その小惑星は『1998KY26』という名前です。

ん、何だか数字とアルファベットの並びで
全然ピンとこない人も多いかもしれません。

リュウグウや初代はやぶさが探査した『イトカワ』などは
覚えやすい名前だったのに、いったいどうしてでしょう?

実は、これらの小惑星の名前の付け方には
ちゃんとルールがあり、それに則って名前が付けられています。
適当につけていいというわけではありません。

小惑星が発見されると仮の名前である仮符号が割り当てられ、
その後の観測で周回軌道などが確定されると、
小惑星番号、名前が付けられます!

今回は小惑星への名前の付け方についてご紹介します。

1.仮の名前が付けられてから正式な名前が決まる!?

小惑星の数は軌道がはっきりわかっているものだけでも
なんと30万個以上見つかっています。
これだけ多いと、名前の付け方にもしっかりとしたルールが必要なわけです。

まず、新しい小惑星が発見された場合、
国際天文学連合によって仮の名前『仮符号』が付けられます。

この仮符号の付け方は以下のルールです。

①頭4文字:その小惑星が発見された年を西暦で表します。

②次の1文字:1年を1月から半月毎にA,B,C…と割り当て、発見された月をアルファベットで表します。(ちなみにアルファベットのIは数字の1と間違えやすいため使用しません)

A 1/1~1/15 J 5/1~5/15 R 9/1~9/15
B 1/16~1/31 K 5/16~5/31 S 9/16~9/30
C 2/1~2/15 L 6/1~6/15 T 10/1~10/15
D 2/16~2/29 M 6/16~6/30 U 10/16~10/31
E 3/1~3/15 N 7/1~7/15 V 11/1~11/15
F 3/16~3/31 O 7/16~7/31 W 11/16~11/30
G 4/1~4/15 P 8/1~8/15 X 12/1~12/15
H 4/16~4/30 Q 8/16~8/31 Y 12/16~12/31

③次の1文字:発見された期間内に見つかった順からA,B,C…(Iを除く)と割り当てていきます。26個以上見つかった場合、A1,B1,C1…とアルファベットの後に数字を付けます。

これらのルールに則って、はやぶさ2が探査予定の『1998KY26』を紐解いてみると、
1998年の5/16~5/31の期間内に25個×26 + 24 =674番目に発見された小惑星となります。

ちなみに、リュウグウの仮符号は『1999JU3』で、
1999年5/1~5/15の期間内に25個×3 + 20 = 95番目に発見されたことになるわけです。

このように仮符号が割り当てられてから観測を続けていき、
太陽を周回する軌道が確定し、すでに発見されている小惑星ではないことが確認されると、
『小惑星番号』と呼ばれる登録番号が割り当てられ、名前も付けることができるんです。

ちなみに、リュウグウは162173という番号が割り当てられています。

しかし、これから探査予定の1998KY26はまだ軌道要素が確定されていないためか、
2020年9月時点で、まだ小惑星番号は割り当てられていません。

これからの観測に期待したいですね!

2.イトカワは人の名前?リュウグウは浦島太郎が由来?


そんな小惑星の名前には、
人の名前や地名などが名付けられることが多いです。

初代はやぶさが探査を行った小惑星『イトカワ』は、
日本のロケットの父とも呼べる糸川英夫さんの名前をつけたものなんです。

糸川博士は日本の宇宙開発を切り拓いた先駆者で、
そんな偉大な方の名前を小惑星に名付けたかったのでしょうか。

また、リュウグウはその名の通り、
浦島太郎の話に出てくる『竜宮城』からきています。

浦島太郎は玉手箱を持ち帰ってきますが、
はやぶさ2はリュウグウから試料を持ち帰ってきます。

また、玉手箱を開いた浦島太郎は一気に年をとり老人の姿になってしまいますが、
リュウグウの試料には太陽系が誕生した46億年前の状況を知る手がかりが
あるとされています。

そんなタイムスリップ感が浦島太郎と重なることから、
リュウグウと名付けられたそうです。なんだかとっても素敵に感じます!

まとめ

次にはやぶさ2が目指す1998KY26は
直径約30メートルほどの非常に小さな小惑星です。

しかも、なんと自転周期(1回転する時間)が約10分と
他の惑星、小惑星と比べても非常に高速で自転していることがわかっています。

今後、軌道が確定すれば小惑星番号が付与され、
名前も付けられるようになるでしょう。
その際は、リュウグウのようにJAXAが名前を一般公募するかもしれませんね!

はやぶさ2には2回目の探査も成功させてもらいたいです。

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