皆さん、夜空で星を眺めていますか?
星を結んでできる形を参考に『星座』というものがありますが、
そんな星座とは別に、
星を結んでその季節を表すシンボルといえるものもあります。
『大三角』『四辺形』『大曲線』などがそれに該当します。
春の夜空で見えるシンボルは
大三角と大曲線があります。
春の大三角とも呼ばれる
三角の形を構成する星は以下の3つです。
・アークトゥルス
・スピカ
・デネボラ
今回は春の大三角、そして大曲線についてご紹介します!
オレンジ色の星と青白い星は夫婦の星?
春の大三角を構成する3つの星をご紹介しましょう!
■アークトゥルス
春の大三角の3つの星の中で、
一番明るいのがこのアークトゥルスです!
星座を形作る星の中でも、
3番目に明るい星となっています。
オレンジ色に見えるのが特徴で、
日本では麦の収穫時期にちょうど天頂で輝いていることから、
『麦星』という名前がついています。
アークトゥルスはうしかい座の星なんですが、
うしかいの星座絵からはみ出しています。
これには秘密があり、
また、後でご説明します!
■スピカ
春の大三角で2番目に明るいのがこのスピカ。
誕生日の星座でもお馴染みの、おとめ座の星です。
おとめ座ということで、とても可愛らしい名前のスピカですが、
実は語源は『スパイク』と同じだそうで、
“尖ったもの”なんて意味があります。
おとめ座の星座絵と照らし合わせると、
左手に持っている麦の穂の先っぽで輝いているのがこのスピカ。
穂先は尖っていますので、なるほどと言える名前となっています。
■デネボラ
3番目に明るいのがこのデネボラ。
こちらも誕生日の星座でお馴染み、しし座の星です。
しし座の星座絵と照らし合わせてみると、
ちょうど獅子のしっぽの部分で輝いています。
デネボラという名前には、『獅子の尾』という意味があり、
そのままの名前と言えます(笑)
アークトゥルス、スピカが明るい1等星の星であるのに対し、
このデネボラはそれより少し暗い2等星の星となっています。
以上の3つの星で構成されているのが春の大三角。
ちなみに、オレンジ色のアークトゥルスと青白く輝くスピカは
色が対照的なことから2つ合わせて、『夫婦(めおと)星』と呼ばれています。
アークトゥルスが男性、スピカが女性のイメージとなっています!
約5万年後に夫婦星が接近する!?
春の大三角を紹介してきましたが、
実は春の夜空にはもう1つ季節のシンボルがあって、
それを『春の大曲線』と呼んでいます。
春の大曲線は、北の空に見える7つの星の並び、
『北斗七星』の柄杓型の柄の部分の曲がりをそのまま伸ばしていくと、
アークトゥルス、そしてスピカとたどり着きます。
この北斗七星からスピカまでの曲線を
春の大曲線なんです!
そして、アークトゥルスは他の星座を形作る星と比べると、
速いスピード空を移動していることがわかっています。
うしかい座は今から約3000年ぐらい前に作られた星座ですが、
その時はちゃんとうしかいの星座絵の中にありました。
しかし、アークトゥルスは動いているということで、
今現在はうしかい座の星座絵の外に見えています。
これが、星座絵からはみ出している理由なんです!
そして、今から約5万年経つと、
なんと夫婦星のスピカに接近するんです!
まるで大曲線を滑っていくかのように…
でも、当然ですがアークトゥルスが
地球で夫婦星なんて呼ばれているなんて知るわけがありません。
さらに時が経てば、アークトゥルスはどんどん移動していき、
スピカから離れていってしまうことでしょう。
そんなにうまくはいかないものですね(笑)
まとめ
今回は春の夜空のシンボル、
春の大三角、そして春の大曲線をご紹介しました。
夏の大三角、冬の大三角に比べると、
少し目立たない感じもしますが、
冬から季節が変わり暖かくなっていき、天体観測もやりやすくなります。
ぜひ、春の夜空を眺めてみてはいかがでしょうか。