GPIFの年金運用が2021年も大幅プラスに
GPIF=年金積立金管理運用独立行政法人
GPIFが年金積立金を運用し、利益を上げているのです。
その額がハンパないのです!
2021年度第一四半期の運用実績がGPIFより発表されました。
収益率=2.68%
収益額=4兆9819億円
(四半期ごとに年間4回公表)
ちなみに2020年度年間実績
収益率=25.1%
収益額=37兆7986億円
(これは過去最高収益です)
めちゃくちゃ儲かっています!
これは国の財テクです。
総運用資産は、右肩上がりに増え続けているのですよ。
一番気になるのは“使い道“ですよね。
後ほど説明しますね。
GPIFは年金積立金を約20年間増やし続けている
2001年の運用開始以来の累積収益がなんと、100兆円を
突破しました。
利益が100兆ですよ、すごいですね。
(表1参照)
最初は約90兆円で運用をスタートしたので運用資産残高は
191兆円となったのです。
収益は2種類に分かれます
インカムゲインとキャピタルゲインです。
・インカムゲイン=利子・配当
預金で言えば利息のことで、株式なら配当金です。
運用時に決められた利息が増えるものです。
・キャピタルゲイン=評価利益
株などの運用で、株価の変動による利益です。
株が上がれば利益も増え、下げれば損しますよね。
ただし、売らなければ損益は確定しないのです。
上記の表の通り、インカムゲインは確実に増え、キャピタルゲインは
その時の株価や経済状況によって大きく変動しています。
2008年頃日経平均株価は1万円以下でした。
その後株価は上昇し、今では3万円を超えているので
評価益が大きく増えているのです。
投資先と利益金の使い道は?
GPIFはいったい何に投資しているのか?
(表3)
国内債券・外国債券・国内株式・外国株式をバランスよく
買っていますね。
債権は安全資産で利息狙い、株式は配当と値上がりを期待する
ハイリスクハイリターンです。
将来に向けて投資を考えている方は、このような分散投資が
おススメですよ。
さて、気になる使い道ですね。
100兆も増えたのなら、国民に少しずつ配ってほしいな…。
私もそう願いますが、ダメなのですよ。
積立金は、支給される年金の不足分のみを補てんすることが
定められているのです。
年金は、国民から集めた年金保険料と国庫負担金で100%
まかなうのが原則です。
しかし、少子化・平均寿命が伸び続けているため、年金保険料が
足らないのです。
その足らない分を積立金から補てんするのですね。
ここ数年は、資産が増えたおかげで毎年10%程度を年金の
足らない分として切り崩しているだけです。
「100年安心」の年金制度はうまくいっている
「100年安心の年金制度」というプランが、2003年に
打ち出されたことを知っていますか?
当時小泉内閣時代に坂口厚生労働大臣が提唱した改革案です。
この改革では、年金の給付をその時の情勢(経済や平均寿命など)
に合わせて年金支給額を調整することになりました。
その支給額が足らなくなった場合、年金積立金から補てんするという
ことなのです。
2003年当時は、年金積立金の資産が100兆円ぐらいでした。
「100兆円なんて切り崩したらすぐに無くなってしまう」と
批判的でした。
また、当時年金積立金の管理がずさんでした。
皆さんのお近くに「厚生年金会館」や「グリーンピア」という
施設がありませんでしたか?
これは年金積立金から作られたものですが、赤字経営が多く
積立金がどんどん減っていく原因でした。
そんな中での「100年安心」は不可能との意見が多かったですね。
その後情勢は大きく変化しました。
まず、赤字施設は2010年までにすべて売却し、無駄使いを無くしました。
1万円程度だった日経平均株価が安倍内閣時代急速に回復し
今では3万円を越えています。
そして、当初100兆円で始まった「100年安心」が190兆円に
なったので、2倍の安心になったのです。
ただ、一部には「今は株価が上がっているからいいが下がったら
資産が減るだろう」との指摘があります。
もちろんその通りですね。
しかし、株価は下がるときもあれば上がるときもあります。
日本国が破綻しない限り問題ないでしょう。
また、先に説明した通り運用は分散投資です。
ほぼ確実に年間3%程度の「利息」が入ります。
結論は、なんだかんだ言ってもうまくいっていると思います。
少なくとも近い未来に年金制度が崩壊することは考えられないです。
100年後はどうなっているかわかりませんが。
GPIFの発表は年4回あります。
たまに調べてみるのも面白いですよ。
私も、資産総額が190兆円になっていることを初めて知りました。
驚きを実感させていただいております。