若者の自殺者が急増している

心配していたことが現実になりました。

今年の自殺者が7月1818人、8月1854人となり、昨年に
比べて大幅に増加しました。

特に若い女性の自殺者が異常なほど増えているのです。
40歳未満の女性では、前年同月比で何と76%も増加した
ことになります。

統計上では若い女性の自殺者が最も少なく、男性や高齢者の
ほうが人数は多い傾向にあります。

日本人全体が7月以降大幅に増えたのはなぜか?
原因を考えてみましょう。

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原因はコロナ問題なのか、それとも…


日本の自殺者数は、バブルがはじけた1998年から急激に増え
2003年には最多の34427人に達しました。

その後景気の安定もあって、2009年以降10年連続で減少し
2019年には初めて20000人を下回りました。

今年も順調に減少していたのですが、7月以降急に増加
したのです。

この原因は何なのか。

やはりコロナの問題が、色々なことに影響を与えてしまって
いるようなのです。

・感染に対する恐怖心から悲観してしまう。
・長い在宅ワークにより孤独感が増してしまう。
・学生がリモート授業により引きこもるようになった。
・SNSを利用する機会が増え、悪意の書き込みが多くなった。
・友人や家族に悩みを打ち明ける機会が減った。
・経済活動自粛による収入の激減。

などが自殺を引き起こす原因とされています。

これらの項目について、さらに詳しく研究者の意見を
取り上げてみましょう。

有名芸能人の自殺がトリガーになるケースも

統計で興味深いものがありました。

今年の3月頃に新型コロナウイルスが大問題となり、政府も
緊急事態宣言を出すに至りました。

その結果、学生はリモート授業となり会社員は在宅ワークが
取り入れられました。

そのような不安な状況になっても、6月までは自殺者が
前年度より減っていたのです。

それが7月から急に増加したのです。

なぜ?

自粛が始まった頃は、「コロナに感染してはいけない」「人に
うつしてはいけない」「家族を守らなければならない」などの
緊張感があったということです。

自分の問題より他人への気遣いが大きかったのでしょうね。

コロナが落ち着くのと同時に、今度は自分の差し迫った問題を
重く考えるようになり、「鬱」状態となるようです。

次に、在宅期間が長いと、良い影響と悪い影響を与えるようです。

最初の頃は、会社や学校に行かなくて済み、煩わしい人間関係
から解放された気分になれます。

しかし、この期間が長いと逆に孤独感や自粛疲れにつながるの
ではないかと報告されています。

三つ目は、子育て世代の若い女性が子供を預けることができず
「育児疲れ」が原因の一つとされています。

そして四つ目としては、賃金低下や解雇、自営の方の営業自粛に
よる収入減を悲観することです。

また、有名な若い芸能人の相次ぐ死も、少なからず影響したと
考えられています。

自殺を食い止める対策が必要


統計的には、社会に不安が広がると、それに比例して自殺者が
増える傾向にあります。

政府もコロナと自殺についての因果関係を発表しました。

最初からこのような事態になることは、私たちも考えて
いたことですよね。

なぜ自殺を食い止められないのか?

経済的に負担が大きくなった方はたくさんいます。

これは日本だけではなく、世界中の問題ですね。
ただ、日本の救済制度はスピード感に欠けるといわれています。

「うつ病」に対する考え方やケアシステムの違いも指摘されて
います。

日本では「精神科」に通院することに対して偏見がありますね。

欧米のように気軽に受けられる「カウンセリング」が
一般化していないことが「うつ病」を悪化させる原因の一つと
いわれています。

学校や職場、自治体などにカウンセラーを常時配置し
いつでも相談できるようになってほしいですね。

政府は以下の相談窓口を設置しています。

「日本いのちの電話」
ナビダイヤル 0570-783-556
フリーダイヤル 0120-783-556
「な・や・み・こ・こ・ろ」です。

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