お金を使うと気持ちよく感じるのはなぜ?
お金は現代社会では切っても切り離せない存在です。
あなたは、お金を使って気持ちいいという感覚はありますか?
当たり前の話だと感じるかもしれませんが、例えば高い車を購入したときは心地よい達成感を得ることができますが、家賃の支払いで知らないうちに口座からお金が引き落とされても何も感じません。
専門家の考えだとそれはお金を使うことそのものよりも、ものを獲得したという感覚がそうさせるというのです。
更にその獲得したものが実際にいいものかどうかよりも、その商品の広告などから得た情報が重要なのです。
ものを買うことで脳にどんな働きが起こる?
何故ものを得ることが気持ちよさにつながるのか、結果的には脳によるはたらきがそうさせているのです。
ミシガン大学マーケティング准教授のScott Rickさんによると、それは獲得効用と取引効用によって発生するとのことです。
獲得効用とは実際の価値より安く値段がつけられたときのことで、取引効用とは予想していた値段よりも安く値段がつけられたときのことです。
これのせいで、不必要なものでもセールなどで本来の値段より安いものを見つけると、つい嬉しくなってしまい買ってしまいます。
ロングウッド大学心理学准教授のCatherine Franssenさんによると、人は欲しいものを見つけると、脳からドーパミンという物質が生成されます。
ドーパミンとは喜びや、やる気を引き起こす物質のことです。
この物質が、わたしたちの「買いたい」という欲求を引き起こし、それを満たすことで気持ちよさを得ているのです。
喜びを求める心が、買い物に走らせる
上記で書いた、ドーパミンという物質は脳内麻薬とも呼ばれ、人間の喜びにとても強いかかわりをもっています。
買い物以外でも、おいしいものを食べたときや恋愛をしたときにも脳内で発生する物質なのです。
脳内麻薬と呼ばれているのは、人間の機能として脳が常にドーパミンを求めているからなのです。
誰もある程度嬉しいことがおこったら、もう嬉しいことは起きなくてもいい。とは思いません。
人間以外の動物はドーパミンをほとんど利用しない。という話もあります。
つまり、買い物でお金を使うことは、人間ならではの性質なのかもしれません。
お金を使いすぎる人は、悲しい気持ちになっているかもしれません。
人は悲しみ(ストレス)を受けると、反発する気力を失い、周りからなされるがままにされてしまいます。
買い物によって、ささやかでも自分の世界をどうにかしてコントロールしたくなるのです。
まとめ
お金を使ってものを得ることに幸せを感じるのは、人間が社会をつくり生きていく中で備わってきた、動物的な機能が関連していたようです。
動物として、必要なものを得ることが喜びにつながるのはある意味当然のことといえます。
しかし、私たちの生きる経済社会という複雑な世界では、それが生きるために必要かどうかという単純な尺度でものを図れなくなっているのも事実です。
目にした広告の情報や、精神的な不調によって無駄なものも価値があると錯覚してしまい、結果的に無駄な出費をしてしまうことがあります。
つい日頃のストレスを、Amazon等のネットショッピングをすることで解消してしまうときがあると思います。
昨今では多くのものを得ることが幸せだという価値観を否定する人も少なくありませんが、どちらにせよ、一歩立ち止まって自分の状況を俯瞰で見ることで、浪費を抑えたり、得られる幸せもあるかもしれません。