「信用スコア」とは?社会的信用がないと電車禁止?
「信用スコア」という言葉をあなたは知っていますか。
今、中国では「社会的信用システム」計画というものを進めています。
それは国民全員の個人情報を政府がまとめて管理するというものです。
その人の情報、つまり過去の「不正なチケットを使用した」「公共の場所で喫煙をした」等、社会的によくない行動をしたことが「信用スコア」によって誰にでも分かってしまい、鉄道や飛行機に乗ることを最長で一年間禁止されてしまいます。
それ以外でも、最近日本でも利用者が増えている「スマホ決済」にも「信用スコア」が関係してきます。
信用度を身分、支払い能力、信用情報、交友関係、消費の特徴の五つの観点から点数を公表し、高ければ優遇され、低ければマンションの予約がとれなくなるなどの制限が設けられるというものです。
「社会的信用システム」はどうやって生まれた?
中国でこの動きが始まったのが、1999年ごろです。
玩具メーカーを経営する企業家の黄聞雲さんが、信用していたほかの会社に新商品を真似されてしまったことがあり、中国の経済活動には「信用」が必要だと感じたのです。
そこから研究グループを設立し、既にアメリカであったクレジットスコア(クレジットカードの支払い、ローン、保険などの履歴)を基に、中国にも同じようなシステムをつくっていきました。
そこから発展して生まれたのが「社会信用システム」なのです。
先ほどあった鉄道や飛行機を搭乗拒否に関しては、中国政府が社会的信用の低い人に対する冷遇の一つです。
「スマホ決済」の件は民間企業の「芝麻信用」が独自の基準でつくったものであり、政府以外でも様々な信用の基準があるみたいです。
「社会的信用システム」の広がり
この「社会的信用システム」は2020年までに導入予定とのことで、他にも様々な取り決めがあります。
信用がとても低くブラックリストに入ってしまうと、映画館やSNSにその人の個人情報が共有されてしまったします。
更にペットなどの個人の財産が没収されたり、有名な私立学校に入れなくなってしまったり信用が低い人の冷遇はとても多くのものになります。
政府の発表としては、あくまで個人を点数つけて管理する。というより、信用が低いもののペナルティを定めるためのシステムのようです。
しかし、今後そういった個人に点数をつけ地位の高い・低いを判断する「スコア化」の動きがまったくないとは限りません。
インターネットが広がり、検索履歴やショッピングの購入履歴など個人を特定するデータはビックデータと言って日々蓄積されていくので、それがどのように利用されるかはわかりません。
まとめ
発表通りにいけば、近いうちに中国でこのシステムが使われることになりそうです。
ビックデータをAIによって解析し、中国全土に適応していきます。
既に上海では、顔認証システムを使って政府の記録にアクセスし、その人の「信用スコア」を確認する「Honest Shanghai」というアプリを使って実装されています。
もちろん世間で運用されているものは、元々悪用するために作られたシステムではありません。
しかし、その分個人情報が漏洩することによって、事件が発生する可能性が高まることも事実です。
情報がどのように運用されるのか、そしてどのように管理されるのか今後も変わらず見定める必要がありそうですね。