ソウル・釜山市長選挙野党勝利!
ソウル市と釜山市の市長選挙が4月7日行われ、どちらも
野党候補が勝利当確となりました。
ソウル市では、与党「共に民主党」パク・ヨンソン候補と
野党「国民の力」オ・セフン候補の一騎打ちとなり
出口調査では38%対59%でオ・セフン氏が勝利を確実にしました。
釜山市でも、野党パク・ヒョンジュン候補が与党キム・ヨンチュン
候補を33%対64%で勝利を確実にしました。
大都市ソウルと釜山で与党候補が大敗したことで、ムン・ジェイン
政権は大きな打撃を受けそうです。
市長の任期はともに2022年6月までです。
政府の支持率低下が市長選に影響
ムン・ジェイン政権発足時は支持率が80%もありました。
しかし現在では、支持率が34%、不支持率が62%前後まで
逆転しています。
一時はコロナ対策の成功で、支持率が回復しましたが
今年に入って政府を揺るがす大きな問題が発覚しました。
それが土地投機疑惑です。
この問題が明らかになると、国民の怒りが最高潮に達し
政府への不満が爆発したのです。
この疑惑によって与党「共に民主党」の支持が大きく下がり
ました。
ソウル市長選挙は、12人の立候補がありましたが、実質
与党パク・ヨンソン氏と野党オ・セフン氏の一騎打ちです。
釜山も同様です。
選挙が行われることになった理由は
前ソウル市長がセクハラ疑惑で告発され自殺しました。
前釜山市長もセクハラ問題で辞職しました。
このため補欠選挙となったのです。
両市とも「共に民主党」の前市長がセクハラ疑惑で退任して
いるので、選挙前から与党の苦戦が予想されていました。
そこに不動産スキャンダルがあったので、予想外の大差が
ついたのですね。
市民の怒りを生んだ土地投機疑惑とは?
韓国の住宅建設・分譲を担う「韓国土地住宅公社」の職員
による不正です。
公社の職員らが、2018~20年にソウル郊外の住宅開発地を
開発発表前に購入し転売したとの疑惑がかけられています。
これはインサイダー取引として捜査中です。
また、近年ソウルのマンション価格が急騰しています。
ムン・ジェイン政権発足以来1.5倍になりました。
価格高騰の解消を目的とした郊外の土地開発で不正があったため
市民の不満が爆発したのです。
さらに、大統領の家族に対しても不動産投機疑惑が取り沙汰
されています。
来年の大統領選への影響
来年韓国は大統領選挙です。
ムン・ジェイン氏の後任を選ぶことになります。
今選挙をすると仮定すれば、与党は厳しい審判を受けたかも
しれません。
しかしまだ1年あります。
与党は支持率回復のウルトラCがあるのでしょうか?
一方野党は、選挙までに大統領有力候補者を見つけなければ
なりません。
与党の有力候補者は、イ・ジェミョン氏、イ・ナギョン氏です。
一方野党の有力候補はいないのが現実です。
ただ、世論調査では前検事長のユン・ソギョル氏に期待が集まって
います。
ユン氏はもともと検事で、政党には所属していません。
本人も出馬を決めていないので、どうなるかわからないのです。
今回の市長選では野党が勝利しました。
しかし有力な大統領候補がいないというジレンマなのですね。
仮にユン・ソギョル氏が野党から出馬を決めれば、政権交代が
起きるかもしれないので要注目ですね。
最後にこの有力3人が大統領になった場合、それぞれ日本との
関係はどうなるか想像してみました。
あくまでも想像ですよ。
イ・ジェミョン氏は対日強硬派として有名で「韓国のトランプ」と
呼ばれるぐらいなので、さらなる関係悪化が予想されます。
イ・ナギョン氏は知日派で知られており、対日関係改善を
進める期待もあります。
ユン・ソギョル氏は出馬を決めた場合、与党・野党どちらに
所属するかわかりません。
また、どのような政治思想なのかもわかりません。
他にまったく新しい有力候補が現れるかもしれませんが…。
今回の市長選で韓国国民が政権与党に「NO」を突き付けたのは
事実です。
韓国国民の不満を解消できるかどうかが、大統領選の“カギ”と
なるのは間違いないでしょう。