2021年スエズ運河座礁事故復旧、賠償責任は

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スエズ運河座礁に対する賠償責任は?

スエズ運河座礁事故で、賠償しなきゃいけないの?

今のところ賠償訴訟は起きていませんが、どうなるでしょうね。

もしも賠償問題となった場合は、原告=スエズ運河庁
被告=船主となります。

スエズ運河庁とは、スエズ運河を運営するエジプトの国家機関
です。

スエズ運河庁は取り損ねた通行料金、運河修繕費用などを
請求するかもしれません。

また、運航者に対して過失があったかどうかも調査されています。

幸いにも事故から6日間で離礁が成功し、現在は徐々に
通航が再開されています。

船主は日本の企業なので、賠償責任を被るかも

スエズ運河 事故
座礁したコンテナ船「エバーギブン」は、船主が日本の
「正栄汽船」です。

しかし、運航管理は台湾の海運会社、人員等の管理はドイツの会社
乗組員はインド人クルーなのです。

なんとまあ、ややこしい話ですが、“海運業界あるある“で
船主が実際に運行することは少ないのです。

このコンテナ船は正栄汽船が外国に貸し出しただけなのですが
事故が起こった場合、賠償責任は「船主」となるのですね。

正栄汽船にとっては“いい迷惑”でしょう。
インドの乗組員に“しっかりしてくれ”と文句も言いたいと
思いますよ。

スエズ運河の通行料は1回あたり3000万円~5000万円
だそうです。
いったいいくらの損害金となるのでしょうか。

損害を受けたのはスエズ運河庁だけではありません。

足止めされた各国の船も輸送遅延による損害賠償を請求
出来ます。
1日当たり全船を合計すると1兆円の損害が出ているとの
試算もあります。

でも安心してください、大丈夫ですよ。

船主は船を貸し出すときは保険に加入します。
船の損傷や賠償責任に対しては、保険金でまかなえます。

各国の船も「おたがいさま」で、自分の損害金は自分の
保険で処理するのが通例となっています。

スエズ運河ってどんなところ?


地中海と紅海を結ぶ運河で、ヨーロッパとアジアの貿易にとって
重要な水路です。

1869年に開通しました。
それまではアフリカ大陸を南端まで迂回していたので
大変な日数がかかっていたのです。

運河は全長164㎞、深さ24m、幅205mです。
今回座礁したコンテナ船は、全長400m以上もありますので
チョット斜めになっただけでアウトですね。

余談ですが、座礁したコンテナ船を動かしたのはショベルカー
です。
岸辺から何台ものショベルカーが船の下を掘り起こし、土を
取り除いたようです。

“便利なものは欲しいものである”

過去にはスエズ運河の利権争いで何度も中東戦争が起きています。

運河周辺はエジプト、イスラエル、サウジアラビアなどの
国が隣接しています。
それらの国と西側・東側・イスラム圏とが幾度となく覇権
争いを繰り返した歴史があるのです。

それだけ重要な運河なのですね。

賠償責任は「船主」が被るというルール

スエズ運河 事故
先ほども述べましたが、船舶の事故における賠償義務は
船主にあると決められています。

今回の事故直後に「正栄汽船」が謝罪会見を開きました。

え?なんで日本の会社が?
と思いませんでしたか。

賠償責任があっても、実際に事故を起こしたのは船を貸した
外国人なのに…。

こういうところが日本人の良いところなのかもしれません。

逆に、賠償責任の対象があらかじめ決められてなく、事故が
起こる都度に賠償責任者を決める方法であったらどうでしょう?

あちこちで裁判だらけになりますね。
船を貸さなくなりますね。

「船主」となる国はほとんどが豊かな国でしょう。
高い保険料を払うことはできます。

もし賠償責任を過失者に負わせることになると、中には保険の
未加入者がいるかもしれません。
こうなると収拾がつかなくなりますね。

以上のことから、「船主」に賠償責任を負わすことは理に
かなっていると思います。

幸いなことに正栄汽船はしっかりと保険に加入しているようです。
どのような賠償請求に対しても、保険で支払うことが出来ます。

結果的によかったじゃないですか。

ただ、運航者は多くの船に迷惑をかけたので、原因の究明を
しっかり行っていただきたいですね。

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