「ナクバ=大災厄」
パレスチナの人は5月14日をこのように呼びます。
何が「災い」なのか?
1948年5月14日、パレスチナ地域でイスラエルが建国された
のです。
ご存じの通り、イスラエルはユダヤ人が中心に統治していますね。
イスラム教徒のアラブ人が多いパレスチナにユダヤ教徒の
国が出来るわけですから、アラブ人にとってはまさに「大災厄」
となるのは当然ですね。
実際この年に建国が宣言されると、アラブ諸国軍とイスラエル軍
による戦争が始まりました。
この戦争で70万人以上の難民が発生するほど悲惨な状況と
なりました。
パレスチナ人などは、この日のことを忘れることは出来ないと
言われています。
「ナクバの日」が近づくにつれ、戦闘が激化
夜空に次々と発射されるロケット弾。
その様子がテレビで放送されていましたね。
10日あたりから激しい攻撃の応酬となりました。
パレスチナ側の作った地下トンネルをイスラエルが爆破。
パレスチナのイスラム原理主義「ハマス」から数千発の
ロケット弾。
それを迎撃し、「ガザ地区」に空爆するイスラエル。
15日現在ですでに数百名の方が亡くなっています。
今後はイスラエルがガザ地区に地上部隊を展開するようで
戦火は拡大の一途ですね。
イスラエルとパレスチナ、どっちが悪いの?
さて、どっちが悪いのでしょうね?
この紛争は数千年前に遡らなければならない問題です。
簡単に答えは出ませんね。
それに宗教問題が大きいのでどちらが「悪」とは言えないのです。
ただ、近年に限って考えれば、多少の「差」は説明できそうです。
ご存じの通り、欧米はイスラエルと友好関係にあります。
そのイスラエルを最も敵視しているのがイランです。
イランは「イスラエル殲滅までジハード(聖戦)を続けろ」
と呼びかけているのです。
ガザ地区にいるハマスとイランは友好関係にあり、同じ敵は
イスラエルなのです。
トランプ大統領時代、イスラエルとUAEやオマーンなどの
イスラム諸国が友好関係を築くという歴史的な偉業が
ありました。
その時押さえつけられていたイランが、トランプ大統領交代後
徐々に軍備を整えています。
イランがハマスに武器や金銭的な支援を行っているという
見方が正しいようです。
常に監視下に置かれているガザ地区で、何千発もの高性能な
ロケット弾を作れるわけがないというのが理由です。
このことから、私はどちらかというとイスラエルを支持します。
理由は、イスラエル人もパレスチナ人も好んで戦争をしようと
考えていません。
ガザ地区などを拠点とする「ハマス」という原理主義組織が
テロ行為を行っているのです。
イスラエルは民主主義国家で、国民にはイスラム教の方が
大勢います。
パレスチナ人も戦争に反対の方もいらっしゃるのです。
イスラム=テロリスト これは大きな間違いなのです。
ただし、お互いに暴力で現状を変えようとすることは
間違っていると思います。
“暴力は憎しみを残すだけ”ではないでしょうか。
紛争を止めるには?
はっきり言って、完全に仲良くなることは当分無いでしょう。
一時的でも紛争を停止させる方法がないものか?
まず一番に考えられるのが国連による仲裁です。
しかし今の国連には、紛争を解決させる力はありません。
せいぜい停戦の決議案を採択する程度でしょう。
イスラエルは徹底攻撃を発表し、地上部隊が出動し始め
ました。
さらに大きな犠牲者が出るかもしれません。
当然ハマスからのロケット弾攻撃も続くでしょう。
彼らにとっては「ナクバの日」に対する聖戦だからです。
ただ、本格的な戦争になる確率は低いように思われます。
パレスチナ単独でイスラエルと戦う能力がありません。
(だから局地的なジハードを繰り返すのみです)
仮にイランやトルコが本格的に攻め込めばどうなるか。
イスラエルは核保有国です。
イランが核施設を開発したがっているのはこのためですね。
どんな場合でも犠牲になるのは一般市民です。
テレビで小さな子供が怪我をして泣いている映像を見ると
やるせなくなりますね。
本当の意味での世界的指導者が現れ、イデオロギーを超えた
世界平和を実現できる人物・組織が出てこないかな…。