環境破壊【黄砂】が世界を滅ぼすとき

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北京が大量の黄砂に覆われる

2021年3月15日中国北京市内が大規模な黄砂で覆われてしまいました。

黄砂はゴビ砂漠などで発生し、内モンゴルから甘粛省、山西省
河北省へと広がっています。

今回の黄砂は、過去10年で最大級の飛散量のようです。

北京市内では「PM10」の濃度が基準値の160倍にも達し
市民の健康が心配されています。

前が見えない!

視界が300メートルほどしかなく、航空便の欠航や道路の
渋滞が発生しています。

やがて日本に飛来する可能性が高いので、十分な対策が
必要です。

黄砂(こうさ)は


黄砂は「こうさ」と読みます。ちなみに発音だと「おうさ」と聞こえるので
勘違いする人が多いです。

黄砂は、モンゴルのゴビ砂漠、中国西部のタクラマカン砂漠
黄河流域などの砂が強風によって上空に舞い上げられます。

舞い上げられた砂塵が偏西風に乗って中国北東部や日本にまで
飛んできます。

この砂塵が黄土色なので、大気が黄色く見えます。
そのため黄色い砂=黄砂と呼ばれます。

この現象が春に多いのは、気象の変化が関係しています。

この砂漠地域は、冬は雪が積もっているのですが、春になって
雪解けが進むと砂地が表面に現れます。
この砂が黄砂となるのです。

春にはこの地域で低気圧が発生します。
低気圧の上昇気流に乗って砂が舞い上がるのですね。

舞い上がった砂が今度は下降気流に乗って中国や日本に
降り注ぐのです。

近年黄砂被害が拡大している


黄砂の粒は大変小さいので、人間や家畜の体内に入りやすく
なっています。

これだけでは、そんなに深刻な健康被害にはなりません。

“たちが悪い”のは、この砂が大気中の危険物質をくっつけて
しまうことです。

工業地帯上空に漂う窒素酸化物、ヒ素、ダイオキシン、細菌
放射性物質など、体に有害な物質を含んでいるのです。

大量に吸い込むと病気になるかもしれませんね。

黄砂自体は大昔から発生していたのですが、近年その量が
急激に増えてきたのです。

黄砂の原因は?

理由の一つは、砂漠地帯が多くなったからです。

中国の工業発展や人口増加によって森林が伐採され、砂漠化が
進行したのですね。

「木を切ったら新たに苗木を植えてくださいよ」
と思いますよね。植林政策ですよね。

実際、中国では数年前から森林保護が
進んで【きて】いるようです。

もう一つの理由は、気候変動だと言われています。

地球温暖化によって砂漠地帯の雪が少なくなり、砂面の露出
期間が長くなったためと報告されています。

日本での被害を防がなければならない


2002年に黄砂の日本への飛来回数がピークになりました。

ようやく危機感を持つようになった中国・韓国・日本は
黄砂の研究を協力して取り組むことになったのです。

最も効果のある対策は、森林保護です。
ムダな伐採を行わない。
砂漠地帯に植樹。

日本では数年前に割り箸の使用をやめようという「マイ箸」運動が
起こりましたね。

割り箸は中国からの輸入がほとんどです。
割り箸を日本へ輸出するために白樺などの木が大量に伐採されて
いたのです。

日中両国で割り箸を減らす機運が高まり、使用量を大幅に少なく
することが出来ました。

割りばしは端材から作るので環境破壊に繋がら無いと思っているかもしれませんが、
端材から作っているのは日本産の割りばしだけです。

現在日本で使われている割りばしの大半は中国産です。
そして中国では皆伐方式と呼ばれる方法のため、森林が減少しています。

だから割り箸を使わないというのは、環境保護にも役立つのですよ。

このような対策が進むと徐々に効果が表れ、黄砂の観測件数が
減ってきました。

やればできる!

しかし事故と同じで、完全に黄砂を無くすことはできません。

どうしても今回のように大規模な黄砂が発生することがあるのですね。

幸いにも天気予報が進歩して、いつ・どこに・どれくらいの
飛散があるのかをリアルタイムで教えてくれます。

黄砂がやってくると科学の力ではどうすることもできません。
個人の判断で予防するしかないのです。

黄砂の中には有害物質が含まれています。
飛散の予報が出たときは、マスクやゴーグルを着けて体内に
入れない工夫をしてくださいね。

もう一つ注意していただきたいことは、車に積もった黄砂の
処理です。

タオルなどでふき取ると、車の表面がキズだらけになりますよ。
水でやさしく洗い流すのがいいですね。

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