海外から(主に東南アジア諸国)技能実習生として来日し
働いていた外国人が悲鳴を上げています。
コロナ禍により、技能実習生を雇用し続けることができなく
なった企業が多くなってしまいました。
解雇もしくは休職扱いとなった場合、なぜか日本人社員のように
休業補償が受け取れていないことがあるようで、生活に困窮する
ケースが増えているのです。
帰国しようにも、海外渡航に制限がかかっているため自由に
戻ることができません。
政府も実習生への対策が不十分なため、問題の解決策が
待たれている状況です。
技能実習制度とは
2016年11月28日、外国人の技能実習の適正な実施及び
技能実習生の保護に関する法律が制定され、翌年11月1日に
施行されました。
技能実習制度の目的は、日本の技術を開発途上国の将来を担う
実習生に習得させる国際協力なのです。
したがって、受け入れる日本の企業は、単に人手不足解消の
ために働いてもらうことではありません。
実習生の雇用期間は、最長5年となっています。
5年の実習期間を3段階に分け、1年目を「技能を習得する活動」
2・3年目を「技能等に習熟するための活動」4・5年目を
「技能等に熟達する活動」と定められています。
この3段階に移行するには、それぞれに学科や実技試験に
合格しなければ次の段階に進めないのです。
発展途上地域から、渡航費用を借金してでも日本の技術を
学びに来る優秀な方々なのです。
困窮で犯罪に手を染めてしまうことも
将来自国に戻って活躍することを夢見て実習生は来日します。
しかし運悪く実習期間中にコロナの影響を受けてしまいました。
実習生に対しても本来は、休業補償などがあるはずなのですが
どういうわけか上手く受け取れていないようです。
その影響なのか、実習生による犯罪が増えているのです。
埼玉県在住のベトナム人技能実習生が、家畜の窃盗容疑で
逮捕されました。
東京都在住のベトナム人実習生も、不法就労で摘発されました。
来日するほとんどの技能実習生は、技能習得のためまじめに
働いています。
一部の人が、やむにやまれぬ思いで犯罪に手を染めてしまったの
でしょう。
このようなことになる前に、何か支援の方法がなかったので
しょうか?
残念でなりませんよね。
雇用者・政府の支援が行き渡っていない
先程も述べましたが、日本に在留している外国人労働者は
新型コロナの影響で日本人より困窮しているようです。
外国人労働者は、労災・休業補償・有給などが受けられないと
勘違いしていませんか?
外国人でも日本人の同様の補償が受けられるのです。
先日の特別給付金10万円も受け取れるはずなのですよ。
しかし実際には外国人に対する保護が十分ではないようです。
まず、コロナ禍で社員を減らす際には、外国人から解雇する
ことが多いとのことです。
外国人は不当な扱いを受けても、日本の法律・制度を十分に
理解できず、それに対する手続きができていないのが原因かも
しれません。
勤めていた会社が休業となった場合、日本人なら他でアルバイトが
できますが、実習生は在留資格により就ける仕事が決まって
いるため、他でアルバイトができないのです。
企業側も制度をよく理解していないことと、外国人に対する
積極的な支援を怠っている場合があるようです。
また、外国人が安心して相談できる窓口が不足していると指摘
されています。
日本の政府や企業は、日本のことをよく知らない外国人を
受け入れることになるので、技術を教えるだけでは無責任だと
思います。
日本での生活が不自由なく過ごせるように配慮しなければ
なりません。
就業に対する法整備はしっかりしているかもしれませんが
技能実習生の生活問題は、まだまだ十分とは言えません。
実習生が技術を習得して帰国するとき、「日本に来てよかった」
と感謝されるような受け入れ態勢を作らなければなりませんね。