中国恒大集団がデフォルトの危機の何故

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中国恒大集団がデフォルト(債務不履行)の危機

中国の最大手不動産会社「中国恒大集団」がデフォルト
=債務不履行の危機と大騒ぎになっています。

要は、自社が発行した社債の利払いが出来るのか?

9月23日までに2億3200万元(40億円)の利息を何らかの
方法で支払い終えた模様です。
ただし、これは人民元建て社債分です。

問題は同じ日に利払い予定だったドル建て社債です。
5年物ドル建て社債の利息8350万ドル(92億円)がまだ
支払われていません。

29日には7年物ドル建て社債利息4750万ドル(52億円)の
支払日も迫っています。

ドル建て社債の利払いには、30日間の支払い猶予期間があります。
その期間内に支払うことが出来なければデフォルトになります。

自社の資金繰りで利息を支払えるのか。
中国国家で救済されるのか。

世界中の注目が集まっています。

なぜ恒大集団は危機に陥っているのか


恒大集団は1996年に設立されました。
不動産事業を手掛け、不動産バブルで急成長し2009年に
香港証券取引所への上場を果たしました。

その後事業を拡大し、EV事業では「中国恒大新能源汽車集団」
プロサッカークラブ「広州恒大」を傘下に収めました。

2019年の資産は約4兆円と、世界的な大企業になりました。

しかし実際の経営は“火の車”だったようです。
社債を大量に発行し資金を集め、不動産を買い続けた結果
債務過剰に陥ってしまったのです。

自己資本約4000億元に対し、その3倍の約1億3000万元の
負債があるのです。

この経営状況は、“危険水域”と思いますよね。

案の定、信用を徐々に無くしています。

9月7日にムーディーズは、社債の格付けをCa(下から2番目)に
引き下げました。
これに続き、S&Pも格付けを下げました。

9月24日には、一部利払いが出来なかったことをもあり
子会社「中国恒大新能源汽車集団」の一部事業を停止しました。

利払い期限は今後も続々とやってきます。

12月28日までに総額6億3110万ドル(約700億円)もの
利払いを行わなければなりません。

出来るの?
ていうか、資金調達方法は無いでしょ。
国が救済しない限り。

日本への影響は?

日本は年金積立金の運用(GPIF)で、恒大集団の株を96億円分
買っているようです。

倒産したら“紙くず”になって大損すると危惧する方がいます。

これは問題ないでしょ。
たとえ紙くずになっても、190兆円分の96億円ですから。

それよりも影響が出るのは「株式市場」ですね。

株価はイメージで上下することがあります。
すでに報道内容に合わせ、世界中の平均株価が乱高下しています。

株式投資をされている方は、今後注意が必要ですね。

中国政府が掲げる改革の一環か

最大の関心事は、中国政府がこの問題を“どうするか“です。

資本主義社会の常識では、会社の経営を国が個別支援することは
ありません。
ただし公共性の高い企業(銀行や交通機関など)は公的資金を
投入して経営改善を行うこともあります。

今回の「恒大集団」はどうでしょうか?

今後が読めない一番の要因は“中国”だからです。
株式会社の形をとる「恒大集団」ですが、政府の方針一つで
どうにでもなってしまうのが現実です。

中国は数年前から改革開放政策のもと、企業を優遇し驚異的な
発展をしました。

まさに日本のバブル経済期と同じです。

しかし最近では、経済活動の引き締めが目立っています。

投機による住宅価格高騰に対し、中国政府は購入制限を設け
売買価格にまで介入するようになりました。

一部の富裕層が大金持ちになるのに対し、数億人の貧困層が
いるわけです。
不平不満はいつ爆発してもおかしくないのです。

日本でも不動産バブルに対して急激な金融引き締めを行いました。
短期不動産売買利益に99%の税金を課せられたのを覚えています。

その結果、一瞬にしてバブルが崩壊し、大不況を呼び込んだのですね。

さて、中国政府は「恒大集団」をどうするのか。

政府が救済すると国民に安心感が広がり、投機的な行動を助長
しかねません。

反対に切り捨ててしまえば、連鎖倒産が起こり、中国経済自体が
減速するかもしれません。

とりあえず、混乱を警戒して市場に資金をじゃぶじゃぶと
供給しているようです

また、「恒大集団」の破綻を想定し、政府の専門機関が債務状況を
調べ、事業を引き継ぐ(国有化)の動きがあるという噂まであるのです。

本当は一番困っているのが中国政府かもしれません。

この先不透明な“綱渡り”が続くのは間違いないです。

株式投資、不動産投資、仮想通貨投資は十分注意してくださいね。

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