タリバンとイスラム国との対立激化

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タリバンに対しイスラム国がテロ活動

先日アフガニスタンの政権を取り戻した「タリバン」に対し
IS=「イスラム国」が爆弾テロを行っています。

なぜ?
お互いに「イスラム原理主義」同士じゃないの?

確かに両者ともイスラム教「スンニ派」です。

同じスンニ派ですが、考え方の違いで数年前から対立して
いるのです。

アメリカがアフガニスタンを撤退する際、タリバンと
協定を結んで撤退しましたね。

これもISにとっては気に入らなかったのでしょう。

また、アメリカ軍が撤退中の空港で100人以上の犠牲者を
出したテロは、タリバンではなくISなのです。

タリバンVSイスラム国
アメリカVSイスラム国

ややこしくなってきました。

タリバンとISの共通点と違い


タリバンとイスラム国の共通点。

・イスラム原理主義(過激派)
・国際テロ組織に指定(タリバンを日本は指定していません)
・女性への行動制限
などですね。

反対に相違点は何でしょうか?

最初に組織誕生の経緯をお話ししましょう。

タリバンは、1979年に誕生しました。
当時のソ連がアフガニスタンに攻め入ってきたとき
これに対抗するためタリバンが誕生したのです。

映画「ランボー・怒りのアフガン」で、ランボーと一緒に
戦ったのがタリバンなのでしょう。

ISはイスラム「国」となっていますが、国ではありません。
2014年に国家樹立を宣言しましたが、国際社会では認められて
いないのです。

タリバンはアフガニスタン近辺、ISはイラク・シリアを
中心に国家建設を目指しています。

同じく国家の統治者を唱えていますが、その過程が大きく
違います。

タリバン政権は、国際社会との対話を取り入れています。
他のイスラム国家と同様に民主国家として認めてもらうため
嫌々でも西側諸国にアプローチをかけています。

これに対しISは、一切の妥協をせずに武力によって独立国家を
築こうとしているのです。

この違いからISにとってタリバンは「裏切り者」なのでしょう。
その証明としてアフガニスタンでテロ行為を行っているのですね。

過激度を比べれば
イスラム国>タリバンと言えるかもしれません。

現在のアフガニスタンはどうなっている?

タリバンは、アフガニスタンのほぼ全土を掌握しました。

国家として認めてもらえるようにソフト路線を強調しています。
テロ行為の禁止、女性の人権保護などを掲げました。

しかし現実はどうか?

新政府のメンバーにはテロ支援者のリストに載っている人が
います。
ジハードを黙認しています。
タリバンに反対する市民を迫害しています。

そして世界が最も関心の強かった女性の人権侵害です。
声明では「女性の人権を緩和する」と発表しました。

実際は、「女しか出来ない仕事のみ認める」と限定しました。
さらに「男女は一緒にいてはならない」「女は男を迷わす存在」
という教義を取り入れています。

これはすなわち、女性は「家にいろ」と言っているようですね。

ジャララバード付近では、ISがタリバンに対して何度も
テロ行為を繰り返しています。

このまま続くようなら、内戦状態になるかもしれません。

「国家」として機能するには、時間がかかるようです。

日本はタリバン政権とどうかかわっていくべきか

アフガニスタンの政権に返り咲いたタリバンは、国連に
人道支援を要請しています。

これに対し国連は、アフガニスタンへの人道支援について
会合を開き、世界各国合計で10億ドルの支援を決定しました。

日本は6500億ドルの予定です。

これは国連主導の人道支援です。
決してタリバン政権を援助する目的ではありません。

ただ、過去に行った人道支援で権力者が私腹を肥やした
ことが多いのです。
しっかりと監視をしていただきたいですよね。

問題は「タリバン政権」に対する支援です。
これに応じる予定の国はロシア、中国、イラン、パキスタンなど
いわゆる反西側諸国です。

日本を含め西側諸国は態度を決めていません。

その理由は
タリバン政権をまだ信用していないからです。

タリバンは1996年に一度政権を取ったことがあります。
その時に他民族の弾圧、女性の人権剥奪などの政策により
国際社会から建国を認められませんでした。

今回も「女性の就業を認める」「前政府の弾圧はしない」などの
公約を発表しました。

しかし実際は、前政権の幹部を迫害し、女性の行動には
厳しい制限が掛けられているのです。

茂木外務大臣は、タリバンを「穏健派」と発言し、支援に
前のめりのようです。

そんな簡単に思想が変わるものでしょうか?

タリバンとISとの関係をしっかり監視し、国際社会の
仲間になれるかを見極めてもらいたいです。

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