アポロ11号が人類初の月面着陸を成功させてから半世紀以上経ちました。
そして現在、アメリカの『アルテミス計画』をはじめとして、
人類は再び月を目指し、その後は火星までの有人飛行を計画しており、
宇宙開発に関するビジネスにも注目を集めています。
そんな中、日本の宇宙機関であるJAXAと
日本が世界に誇る自動車メーカーのトヨタが、
共同でなんと月面探査車を開発しているんです。
その探査車は『有人与圧ローバ』と呼ばれており、
このローバの名称を『ルナ・クルーザー』と名付けられました。
さて、このあまり聞き慣れない有人与圧ローバですが、
いったいどういったものなのでしょうか?
これなんと、
『宇宙飛行士が宇宙服を脱いで室内に滞在できる』
探査車なんです!
とっても凄い探査車ですが、
今回はこの有人与圧ローバについて紹介します!
有人与圧ローバって?
有人与圧ローバとは、宇宙飛行士の人が
宇宙服を脱いで滞在できる探査車です。
『与圧』という言葉、いったいどんな意味かというと、
“主に飛行機などで、室内の気圧を外の気圧より上げて
地上と同じような気圧に保つこと”
と、なっています。
そのため、宇宙服を脱いでも大丈夫ということなんですね。
“タイヤがついている宇宙船”とでも言えるのではないでしょうか。
アポロ計画の時も探査車は使用されていましたが、
いわゆるバギーというもので、宇宙服を着ながら運転をしていました。
それを考えると、やはり技術の進歩を感じることができますね。
有人与圧ローバの大きさは全長6.0m,全幅5.2m,高さ3.8mと
マイクロバスで例えると約2台分の大きさとなります。
結構、大きく感じますね!
この大きさなので、宇宙飛行士が滞在できる居住スペースの大きさは13㎡で、だいたい四畳半ほどの広さがあり、ローバの室内には2名滞在することができ、約30日間、月面での探査を想定しています。
でも、30日間ずっと居住しながら運転を続けるのも
結構大変ですよね。
そこで、なんと自動運転技術も盛り込んでいるとのことなんです。
なんでもないようなところでは自動運転で操縦を行い、
険しい部分など難しそうな走路では、マニュアルで運転できるようにするそうです。
私たちの暮らしの中でも今後増えるであろう自動運転技術を盛り込むのは、
自動車メーカーならではの強みですね。
さすがはトヨタと言えますね!
トヨタだけではない日本の技術が盛り込まれている!
JAXAとトヨタの共同開発とご紹介した有人与圧ローバですが、
他にも日本の企業の技術が盛り込まれているとのことです。
例えば、ローバのタイヤ部分はブリヂストンが開発しています。
日本を代表するタイヤメーカーですね!
いったいどんなタイヤを開発しているのかというと、
なんとゴムではなく金属で出来たタイヤを製造しているとのことです。
月面は昼は120℃、夜になるとマイナス170℃まで下がり、
月には大気がないので、放射線がガンガン降り注ぐ過酷な環境で、
ゴム製のタイヤだと全くといっていいほど使い物にならないそうです。
そして、月の表面はパウダー状の砂で覆われており、
サラサラした砂の上を走破できるようにしなければなりません。
そこでなんと、砂漠を歩くラクダの足の裏の肉球を参考にし、
オール金属で出来たタイヤを考案したそうです。
このように月の環境では地球の常識は通用しませんので、
日本企業の技術を結集させて、挑む必要があるんですね!
まとめ
JAXAとトヨタはこの有人与圧ローバを2029年に打ち上げるとしています。
その頃には、アメリカのアルテミス計画などを始め、
人類が月に着陸することが『普通の事』のようになっているかもしれません。
そんな世の中が、手の届くような未来で起きると思うと、
とってもワクワクしますね。
この有人与圧ローバが月面を走る姿を
早くこの目で見てみたいものですね!